双極性障害とは?分かりやすく解説します

双極性障害とは?分かりやすく解説します

双極性障害って何?

そんな疑問に答えます。

こんにちは、かつまるです。

この記事を書いている僕は元うつ病患者。約3年間、うつ病に悩まされました。その後、病気を克服。

今はその経験を生かし精神障害者をサポートする仕事を行っています。

今回は双極性障害とは?をテーマに解説していきます。

目次

双極性障害とは?

双極性障害とは?

一言で言うと、うつ状態と躁(そう)状態を繰り返す病気です。昔は躁鬱(そううつ)病と言われていました。

「誰にだって気分の良い時もあれば悪い時もあるし、気分の波もあるよ?」という意見があるかと思います。これは確かにその通りですよね。

双極性障害かどうかのポイントとしては、「気分の波が激しすぎて日常生活に支障がある」ということです。

症状・特徴

躁状態の例としては以下の通りです。

  • 気分が高まった状態が続く
  • エネルギーにあふれる
  • なんでも出来ると思う
  • 普段より社交的になる
  • 自分が価値の高い人間だと普段以上に思う
  • 普段より会話が多くなる
  • アイデアがたくさん浮かぶ
  • 怒りっぽくなる
  • 気が散漫する
  • 普段よりお金の使い方が荒くなる
  • 露出の多い服装になる
  • 性的逸脱行為が見られる

一言で言えば「ハイテンションの状態」と言うと分かりやすいのかなと思います。

うつ状態に関しては下記の記事を参考にしてみてください。

気分の状態

気分の状態としては、うつ状態、躁状態(軽躁状態)、うつでも躁でも無い状態の3つに分けられます。

それぞれの状態の期間的な長さは一緒ではありません。躁状態よりもうつ状態の期間が長いのが一般的です。

状態期間
うつ状態長い
躁状態(軽躁状態)短い
どちらでもない状態最も短い

分類

双極性障害は気分障害のひとつと分類されます。

気分障害は2種類で、うつ病(単極性)と双極性に分かれます。

また、双極性障害はさらに2つに細分化されます。双極性障害Ⅰ型と双極性障害Ⅱ型です。

気分障害はうつ病(単極性)、双極性障害とがある
双極性障害は、双極性障害Ⅰ型、双極性障害Ⅱ型とに分かれる

双極性障害Ⅰ型

はっきりとした躁状態がある場合は双極性障害Ⅰ型と分類されます。

双極性障害Ⅱ型

軽躁状態とうつ状態を繰り返す場合は双極性障害Ⅱ型と分類されます。

Ⅱ型は、Ⅰ型よりもうつ状態の期間が長いと言われています。そのため、「自分はうつ病なんだ」と考えている患者さんが多いようです。

ラピッドサイクラー

双極性障害の症状のうち、1年間で4回以上にわたり、うつ状態、躁状態、軽躁状態を繰り返すことをラピッドサイクラー(急速交代型)と言います。

原因

残念ですが、双極性障害になる原因ははっきりと解明されていません。

ですが、脳内神経物質であるセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどとの関係があると想定されています。

脳内神経物質は日常生活のストレス等によって減少すると言われています。

発症率

双極性障害の発症率は、およそ0.6%と言われています。100人に1人かかるかどうかと言った感じの割合ですね。

治療方法

治療方法は薬物治療が主体です。そのほか、精神療法(認知行動療法など)の治療法もあります。

治る?

双極性障害の場合、ほぼ生涯にわたって予防療法が必要になると言われています。

なりやすい性格、タイプ

双極性障害は循環気質の性格の方がなりやすいと言われています。循環気質とは以下の通り。

  • 人付き合いが良い
  • 親切
  • 親しみやすい
  • 朗らか
  • ユーモア性がある
  • 興奮しやすい
  • 物静か
  • 落ち着きがある
  • 物事を苦にする
  • 柔和

正直、誰にでも当てはまる部分があると思いますが…。陽気で明るくて人付き合いの良いタイプと、孤独で引っ込み思案のタイプとにも分かれるようです。

また、双極性障害は肥満体型の方の割合が多いというデータもあります。

診断テスト:自己診断は出来る?

先ほど「双極性障害とは」の項で触れた部分の繰り返しになります。以下のリストに当てはまるかどうかを基準にしてみてください。

「気分が高揚している時の自分」で診断してみると良いですね。

  • 気分が高まった状態が続く
  • エネルギーにあふれる
  • なんでも出来ると思う
  • 普段より社交的になる
  • 自分が価値の高い人間だと普段以上に思う
  • 普段より会話が多くなる
  • アイデアがたくさん浮かぶ
  • 怒りっぽくなる
  • 気が散漫する
  • 普段よりお金の使い方が荒くなる
  • 露出の多い服装になる
  • 性的逸脱行為が見られる

とはいえ、自分だけで判断するのは難しいので、医師の判断を仰ぐのが正確です。

双極性障害の人との接し方

基本の考え方としては以下の2つです。

  • 病態の認識を持つこと
  • 生活リズムを乱さないよう協力すること

その上で、うつ状態、躁状態によって接し方を考えていく必要があります。

  • プレッシャーをかけるような言葉(頑張れ、元気出せ、いつ治るの?等)はなるべく言わないよう気を付ける
  • 躁状態の時の言動を責めすぎないように
  • 怠け者として扱わないように

詳しくは本人の病症によりけりなので、はっきりとした意見は避けたいと思います。

再発

双極性障害は再発を繰り返しやすい疾患と言われています。1年間で48%〜60%、5年間で81%〜91%と言われています。

周囲の人が分かる再発のサイン

人によって様々ですが、本人をよく観察することが大切と言われています。

「なんだか普段と様子が違うな」と感じたら再発のサインかもしれません。早めに病院へ受診するのが良いでしょう。

遺伝

双極性障害は遺伝的要因が80%、環境的要因が20%と言われています。

双極性障害の方によくあること

双極性障害の問題として、正しい症状を主治医に伝えられないということがよくあります。

躁状態の時、本人は「調子が良い、絶好調」と思っているので、そもそも病院を受診しないことがよくあります。

逆にうつ状態の時、受診には行くのですが、症状を伝えるのはうつ状態の症状だけ。躁状態は自覚がないので、躁状態の症状を伝えないといったケースが多いようです。

なので、うつ病と診断されるといった感じですね。これを本人の伝え方が悪いのか、医師側の誤診と考えるかどうかは難しいとこですが…。

仕事のこと

双極性障害の方が働くことに関して。これも患者さんご本人にとって様々です。症状が強くて、仕事に就くのが不安という方に関しては以下の2つがおすすめです。

  • 障害福祉サービスを利用する
  • ハローワーク障害窓口へ尋ねる

障害福祉サービスに関しては下記の記事で解説しているので、そちらを参考にしてみてください。

補足:双極性障害の疑いがあったとされる有名人

双極性障害の疑いがあったとされる有名人のリストが以下です。

  • ゲーテ
  • ベートーヴェン
  • ゴッホ
  • 宮沢賢治
  • ヘミングウェイ
  • 太宰治

世界的に有名な偉人と呼ばれる人々も精神疾患が疑われることに驚きです。

双極性障害を患っている人には「天才」と呼ばれる能力を持つ方の割合が多いのではないかと言われています。

脳科学の研究が進むと、これらの証明になる報告も出てくるかもしれませんね。

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