
うつ病のせいか、寝ても寝ても眠いんだよね…

私の場合は寝ても途中で何回も起きちゃって…
- うつ病による睡眠障害の原因と対策を知りたい
- 毎日熟睡感がない
- 睡眠の質を今より上げたい
そんな悩みに答えます。
こんにちは、かつまるです。
この記事を書いている僕は元うつ病患者。約3年間、うつ病に苦しんだ経験があります。
色々とありましたが病気を克服し、ご縁あって今では精神障がい者をサポートするお仕事に携わっています。
僕がうつ病に悩まされているときは、寝れない30%、寝すぎる70%くらいの割合でした。
疲れが取れず、常にだるい、重いといった感覚が抜けず…。そんな僕がうつ病を克服するために行ったことが以下の3つです。
- 質の良い睡眠対策
- 適度な運動
- バランスを考えた栄養分の摂取
実践途中、体調が良くなったり、悪くなったりを繰り返しながら徐々にうつ病は改善されていきました。
今回は質の良い睡眠について解説していきます。
うつ病と睡眠障害の関係
厚生労働省の調査によると、国民の5人に1人が以下のように回答しているようです。
- 「睡眠で休養が取れていない」
- 「何らかの不眠がある」
もはや不眠症は国民病とも言えますね。
また、うつ病患者の8割に不眠、1割に過眠が見られるとのデータもあります。
つまり、うつ病患者全体の9割が何らかの睡眠の悩みを抱えていることになります。
参考:アテネ不眠尺度(AIS)による不眠症セルフチェック
世界保健機関(WHO)が作成したアテネ不眠尺度(AIS)というものがあります。
世界共通で使用されているチェックシートで、不眠症の自己診断が出来るというもの。
ぜひ参考にしてみてください。
アテネ不眠尺度(AIS)について
- 問題はA〜Hの8項目
- 24点中、4点〜5点→不眠症の疑いが少しある
- 6点以上→不眠症の疑いがある
- 過去1ヶ月間に少なくとも週3回以上経験した項目を選ぶこと
項目A
寝つき(布団に入ってから眠るまでの時間))
0点:いつもより寝つきは良い
1点:いつもより少し時間がかかった
2点:いつもよりかなり時間がかかった
3点:いつもより非常に時間がかかった、全く眠れなかった
項目B
夜間、睡眠の途中で目が覚めましたか?
0点:問題になるほどのことはなかった
1点:少し困ることがある
2点:かなり困っている
3点:深刻な状態、あるいは全く眠れなかった
項目C
希望する起床時間より早く目覚めて、それ以降、眠れないことはありましたか?
0点:そのようなことはなかった
1点:少し早かった
2点:かなり早かった
3点:非常に早かった、あるいは全く眠れなかった
項目D
夜の眠りや昼寝も合わせて、睡眠時間は足りてましたか?
0点:十分である
1点:少し足りない
2点:かなり足りない
3点:全く足りない、あるいは全く眠れなかった
項目E
全体的な睡眠の質について、どう感じてい ますか?
0点:十分である
1点:少し不満である
2点:かなり不満である
3点:非常に不満である、あるいは全く眠れなかった
項目F
日中の気分はいかがでしたか?
0点:いつもどおり
1点:少し滅入った
2点:かなり滅入った
3点:非常に滅入った
項目G
日中の身体的および精神的な活動の状態は、いかがでしたか?
0点:いつもどおり
1点:少し低下した
2点:かなり低下した
3点:非常に低下した
項目H
日中の眠気はありましたか?
0点:全くなかった
1点:少しあった
2点:かなりあった
3点:激しかった
アテネ不眠尺度(AIS)について
- 問題はA〜Hの8項目
- 24点中、4点〜5点→不眠症の疑いが少しある
- 6点以上→不眠症の疑いがある
- 過去1ヶ月間に少なくとも週3回以上経験した項目を選ぶこと
あくまで不眠症を診断する目安のツールです。
正しい診断はやはり、病院を受診するのが良いでしょう。
うつ病での睡眠障害【4パターンある】
以下4パターンが睡眠障害の分類です。
- 入眠障害
- 中途覚醒
- 早朝覚醒
- 熟眠障害
それぞれ解説していきます。
入眠障害
なかなか寝付けない状態のこと。
寝床に入ったはいいけど、うーん…なかなか寝れない。余計目が覚めてきたかも…。
このことを入眠障害と言います。
中途覚醒
寝ている間、何度も目が覚めること。
目が覚めちゃった。ん?あれ?眠いのに寝れない…。
このことを中途覚醒と言います。
とはいえ、加齢と共に眠りは浅くなる傾向にあるので、多かれ少なかれ誰にでも起こることです。
生活に支障があるレベルかどうかが判断基準ですね。
早朝覚醒
朝方早い時間に目が覚めること。うつ病の症状として最も出やすい傾向にあるのが早朝覚醒と言われています。
朝方目が覚める→眠い→寝る。これは普通ですよね。反対に、
朝方目が覚める→眠い→うーん。なんでだろう。寝れない。
このことを早朝覚醒と言います。眠たいのに眠れないというのがポイントですね。
熟眠障害
眠りが浅いことを言います。
寝たはずだけど、全然寝た感じがしない。なんでだろう?睡眠が足りないのかな…
このことを熟眠障害と言います。
眠りを妨げる原因

次に眠りを妨げる原因を見ていきましょう。
以下リストです。あぁコレやっちゃってるな、と思うものがあれば気を付けると良いですね。
- 不規則な生活
- ストレス
- カフェイン
- アルコール
- タバコ
- 病気
不規則な生活
就寝時間、起床時間が日によってバラバラ。あまりにもバランスの悪い食生活。
このような不規則な生活リズムは睡眠に影響があると言われています。
ストレス
交感神経が活発になりすぎてしまうと、不眠や睡眠の質が悪くなってしまうと言われています。
交感神経の異常は自律神経バランスの崩れから。自律神経バランスの崩れはストレスから。
ということで無理なストレスがかかることは眠りを妨げる原因となってしまいます。
カフェイン
カフェインには覚醒作用があることはほとんどの人が知っていると思います。
なので、わざわざ寝る直前にカフェインを摂る習慣はないとは思うのですが、怖いのはカフェイン中毒です。
カフェイン摂取量が毎日200~300mg以上となると、さらに体はカフェインを欲しがってしまいます。
私はコーヒーが大好きだから、これだけはやめられないんだよね、って方は要注意。
コーヒーが好きな体質なのではなく、カフェイン中毒の可能性がありますね。
コーヒ、エナジードリンク、チョコレート等はカフェインが多く含まれているので、くれぐれも摂取量には気をつけるべきです。
ですが、カフェインは健康促進効果があるとも言われているので、量を間違わない程度に摂取すると良いですね。
アルコール
アルコールを摂取すると、眠りにはつきやすいと言われています。しかしその一方で眠りの質は落ちると言われています。
その原因はアセトアルデヒドという成分。
アルコールを分解する過程で発生し、質の良いレム睡眠に影響が及びます。毎日眠りが浅いなと感じる場合、晩酌がネックになっているかもしれません。
タバコ
タバコに含まれるニコチンは睡眠の妨げになります。
タバコを吸う→ニコチン摂取→アドレナリンが分泌→交感神経が活発化する→覚醒→眠りにくくなる、という流れです。
不眠を訴える人の割合は、タバコを吸う人と吸わない人とで4~5倍の差があるとも言われています。
病気
身体の病気や、精神疾患が睡眠の妨げになるケースがあります。
体の痛みや痒みでの不眠は身体の病気、うつ病は精神疾患による不眠と言えますね。
うつ病の不眠症対策【6つある】
次に、うつ病の不眠症対策です。
- 対策その1:病院へ通う
- 対策その2:健康的な運動
- 対策その3:バランスの良い食事
- 対策その4:寝具の見直し
- 対策その5:考え方を見直す
- 対策その6:リラックスできる時間を持つ
対策その1:病院へ通う
- 病院へ行くのが面倒
- 症状が軽かったから
- お金を気にしていた
- 仕事で忙しい
これらの理由で病院へ通わない人が多いです。不眠を放置すると慢性化します。
甘く見ずに病院を受診することをおすすめします。
対策その2:適度な運動
適度な運動は質の良い睡眠につながります。
2019年、ブランダイス大学(マサチューセッツ州)などの研究チームが「歩きと睡眠の関係」について発表しています。
その内容は、よく歩く人とそうでない人では睡眠の質が違うというもの。
僕の場合はというと、プールで泳ぐのが日課です。あと、自宅で筋トレ。たまに外を走るといった感じです。
水の中は入っているだけでもエネルギーを消費するのでプールはおすすめです。行くまでがちょっと面倒な時もありますけど。
対策その3:バランスの良い食事
体の機能低下を防ぐには栄養が不可欠。栄養なしで体は回復しないので。
食べたいもの=体に必要な栄養素とは限りません。栄養素を考えた上で食事を取ることはとても大切です。
対策その4:寝具の見直し
そもそもマットレスや枕などの寝具が合っていないため、眠りが悪いというケースです。
寝具を変えるだけで劇的に睡眠の質が上がったという声もあるので、こちらに関してはまた別記事で詳しく解説します。
対策その5:考え方を見直す
考え方=物事の捉え方です。
物事の見方が変わることによってストレス軽減につながります。こちらに関しては以下の記事を参考にしてみてください。
対策その6:リラックスできる時間を持つ
就寝前は特に言えることです。リラックスできる時間を大切にしましょう。
本やマンガを読んだり、音楽を聴いたり、ゆっくりお風呂に入ったり、ゲームしたり、ストレッチしたり。
落ち着いて過ごせる事柄が良いですね。
僕は自宅でチワワを飼っています。一緒に遊んだり添い寝したりすることがリラックスタイムになっています。
おわりに
僕は仕事柄、睡眠障害を訴える方と多く接する機会があります。
そこでよく思うのが、睡眠障害を訴えるが対策を行っていない人がとても多いということ。
不眠を訴えた後、担当医に薬の調整をしてもらって終わりです。これではちょっとさすがに…というのが僕の感想です。
うつ病を患っていると、体調の波があると思います。
僕は割と体調が良いと思える日に、ちょこちょこ運動を取り入れたり、栄養の勉強、寝具の見直しだったりをしていました。
それでも体調は良くなったり悪くなったりの繰り返し。ですが、体調の良い日が徐々に増えていきました。そんな感じでうつ病は回復に向かっていきました。
ある日、スカッと寝れた日がありました。あぁ…よく寝たなぁ!という感覚です。久々の感覚でとても嬉しかったのを覚えています。
この記事を読んでくれているあなたにも、気持ちよく熟睡出来る日が来ることを願っています。