うつ病と双極性障害の違いとは?受診で気を付けるポイントは3つです

うつ病と双極性障害の違いとは?受診で気を付けるポイントは3つです
  • うつ病と双極性障害の違いは?
  • 自分で見分けるポイントは?
  • 治療の方法は違うの?
  • 自分はうつ病だと思っていたけど、双極性障害かも?

そんな疑問に答えます。

こんにちは、かつまるです。この記事を書いている僕は元うつ病患者。約3年間、うつ病に悩まされました。その後、病気を克服。

今はその経験を生かし精神障害者をサポートする仕事を行っています。今回はうつ病と双極性障害の違いについて解説していきます。

うつ病になったことがあること、そして双極性障害を患っている方と日々接していること、この2つの経験から本記事を深堀りしていきます。

目次

うつ病と双極性障害(躁うつ病)の違い

うつ病と双極性障害(躁うつ病)の違い

うつ病は、気分の落ち込み等のエネルギー低下状態がメインなのに対し、双極性障害はうつ状態と躁(そう)状態を交互に繰り返す疾患です。

躁状態とは、一言で言えば異常なほどテンションが高く、エネルギーが高い状態を指します。

それぞれの症状については下記の記事を参考にしてみてください。

発症率の割合の差

うつ病の発症率は6.5%に対し、双極性障害は0.6%と言われています。

うつ病は100人に6~7人、双極性障害は100人に1人いるかいないかということになります。

うつ病の発症率の方が高いことが分かりますね。

発症年齢の割合の差

うつ病の発症年齢の割合は中高年に多いのに対し、双極性障害は20代に多いと言われています。

うつ病か双極性障害かの目安

うつ病か双極性障害かの目安としては以下の表を参考にしてみてください。

項目うつ病の可能性あり双極性障害の可能性あり
体重減った増えた
食欲ないある
睡眠時間減った増えた
うつ発症25歳以降25歳以前
気分落ち込み気味変わりやすい
双極性障害の人家族にいない家族にいる

上記の表はあくまでも目安のひとつです。参考程度に考えましょう。

MRIで分かった前頭葉体積の違い

2017年に、山口大学、国立精神・神経医療研究センター、日本医療研究開発機構、3機関の共同研究によって発表されたデータがあります。

脳の前頭葉体積に、うつ病患者と双極性障害患者とで明らかな違いが発見されたというものです。

詳しく知りたい方はこちらを参考にどうぞ。

治療方法の違い

薬物療法がメインとなるのはどちらにも共通していますが、投薬には大きな違いがあります。

うつ状態に対して、抗うつ薬を投与するのは一般的です。ですが、双極性障害患者に同じ抗うつ薬が有効かと言われると、そうとは言えないようです。

むしろ状態が不安定になるケースも多いとのこと。

うつ病と双極性障害では、そもそも治療に対する考え方が根本から違います。

うつ病は「うつの症状を和らげる」ことを目的とするのに対し、双極性障害は「うつと躁の差を少なくする」ことを目的としています。

このことからも分かるように、うつ病と双極性障害は症状が似ている部分はあるが、全く違う病気と認識することが大切ですね。

確実に両者を見分けるポイントはない

残念ながらうつ病と双極性障害を確実に見分けるポイントはありません。

実際、双極性障害を例で言うと、正しい診断を受けるまでに平均7.5年かかっているとのデータもあるようです。

双極性障害を患っている患者さんの約65%は、最初の診断が「うつ病、又は、うつ状態」と言われています。いかに見極めが難しいか、この数字が物語っていますね。

受診:早く安定した生活を送るために意識する3つのこと

受診:早く安定した生活を送るために意識する3つのこと

受診の話へ移ります。

どちらにせよ、安定した生活を送るための近道は、正しい診断を受けて自分の病気と向き合うことです。

先ほど、うつ病と双極性障害の見分けるのは難しいと話しました。とはいえ、以下の3つのことを意識することで誤診のリスクを減らすことが出来ると考えています。

  • 双極性障害という疾患を正しく理解すること
  • 受診は家族と一緒に同行すること
  • 医師への伝え忘れが無いこと

順番に解説していきます。

双極性障害という疾患を正しく理解すること

うつ病と誤診されてしまう原因のひとつに、患者さんが「そもそも双極性障害という病気を知らなかった」というのがとても多いです。

「躁状態=調子の良い状態」と勘違いしているので、医師へ相談するのはうつ状態のことだけというケースです。これだと誤診の原因になってしまいます。

受診は近しい人と一緒に同行すること

受診はなるべく家族等の近しい人と同行するべきです。

気分障害の受診でよくあるのが、なぜか受診のタイミングの時は症状が落ち着いているというケース。

診察時は落ち着いて冷静に話せているだけに、医師側にすれば、正しい判断が難しい場合があります。

また、本人の思いこみが激しいパターンもあります。「うつ状態だけがあるのであって、躁状態は無い」と言い切ってしまったり。

双極性障害だと認めたくないあまり、自分でそう思い込んでしまっているのかもしれません。

これらの理由から、客観的にいつもそばで見ている近しい人と同行するべきです。普段の様子を正確に伝えられるとそういった間違いを防げるので。

医師への伝え忘れが無いこと

医師への伝え忘れが無いことはとても大事です。

精神的な病気のことを話すのは、勇気のいることです。言わなくて済むなら言いたくないですよね。

だけど、医師には自分の症状をしっかりと伝えるべき。できれば、受診前に自分の症状をメモにまとめておくのが良いでしょう。

コミュニケーション不足で正しい判断が出来ないというケースは避けたいですね。


ということで今回は以上となります。

気分障害(うつ病、双極性障害)を正しく理解するきっかけとなれば幸いです。

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