
うつ病に効く食べ物で良いものってあるのかな?

そもそも今まで栄養のこと気にしてなかった。ちゃんと考えなきゃダメかな。
うつ病に有効な栄養素って?
そんな疑問に答えます。
こんにちは、かつまるです。
この記事を書いている僕は元うつ病患者。闘病生活を続けていましたが、3年ほどかけて克服。今では精神障がい者をサポートする仕事に就いています。
また、以前はスポーツインストラクターをしていました。これらの経験から、人に必要な基礎的な栄養素、うつ病に有効な栄養素を解説していきます。
体に必要な栄養素を理解していない人多すぎ問題
職業柄、「食事で気を付けることって何ですか」と質問を受けることがよくあります。そこで僕は「1日3食バランス良く食べることです」と答えます。
すると、そしてそして?その次は?みたいな顔をされるのですが、これが結論です。
逆に、「体に必要な栄養素言えますか?」と質問すると、「えーと…」って感じで、ほとんどの人がちゃんと言えないケースが多いです。
体に必要な栄養素言えますか?

人間の体に必要なのは7大栄養素は以下の通り。
- 炭水化物(糖質)
- 脂質
- たんぱく質
- ビタミン
- ミネラル
- 食物繊維
- 水分
それぞれ順番に見ていきましょう。
炭水化物(糖質)
炭水化物は人間の主食で、体のエネルギー源となります。うつ病に関係する所で説明すると、脳はブドウ糖と呼ばれる糖分が唯一のエネルギー源となります。
不足すると疲労感、体力低下、思考力低下につながると言われています。過剰に摂取すると、肥満、糖尿病のリスクがあります。
炭水化物はご飯、パン、麺類、いも及びでん粉類などに多く含まれています。
脂質
脂質は体のエネルギー源になる他、ホルモン等の構成、皮下脂肪として臓器や寒さから守るという働きがあります。
脂肪と聞くと嫌なイメージを持つ人が多いかもしれませんが、とても大事な栄養素のひとつ。
不足するとエネルギー不足での疲労感、免疫力低下、ビタミン欠乏症につながると言われています。
また、過剰に摂取すると、肥満、高血圧や動脈硬化などの疾患につながると言われています。
脂質は油脂、脂肪の多い肉、乳製品、ナッツ類、スナック菓子等に多く含まれます。
たんぱく質(プロテイン )
たんぱく質とはアミノ酸が結合した化合物のこと。
筋肉、血液、皮膚や髪の毛など、体を作る源。体重の約20%の割合をしめています。
アミノ酸に関してはこの記事の下で詳しく解説します。たんぱく質には動物性と植物性があり、その2種類をバランス良く摂取することが大切です。
不足すると筋力の低下、免疫力低下、エネルギー不足、爪や骨が弱くなるといった症状につながると言われています。
また、過剰な摂取は内臓機能低下、肥満、腸内環境の悪化、尿路結石のリスクがあると言われています。
動物性たんぱく質は肉や魚に多く含まれています。植物性たんぱく質は大豆、豆腐、納豆などの豆類に多く含まれています。
ビタミン
ビタミンには、他の栄養素がうまく機能することを手助けする補酵素の働きがあります
機械がサビサビの状態だとうまく動きません。なので、潤滑油と呼ばれる油を入れてメンテナンスします。
そうすることで機械がスムーズに動きますね。
ビタミンは潤滑油みたいな存在と考えると分かりやすいです。不足すると疲労感、体調不良、ビタミン欠乏症、その他病気などにつながると言われています。
ビタミンは全部で13種類です。
- ビタミンA
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンB6
- ビタミンB12
- ビタミンC
- ビタミンD
- ビタミンE
- ビタミンK
- ナイアシン
- パントテン酸
- 葉酸
- ビオチン
ビタミンは水溶性9種と脂溶性4種に分かれます。
水溶性ビタミンは、過剰に摂取の心配はそこまでないです。しかしビタミンEを除く脂溶性ビタミン(A、D、K)の過剰な摂取は副作用があると言われています。
ビタミンは緑黄色野菜、果物、レバーなどに多く含まれます。
ミネラル(無機質)
ビタミン同様に、他の栄養素を手助けする補酵素の働きがあります。
人間の体に必要なミネラルは16種類。主要ミネラルと微量ミネラルとに別れます。
そのうち、塩素、硫黄、コバルト以外のミネラルは必須ミネラル13種と言われたりします。
主要ミネラル
- カルシウム
- リン
- カリウム
- 硫黄
- 塩素
- ナトリウム
- マグネシウム
微量ミネラル
- 鉄
- 亜鉛
- 銅
- マンガン
- クロム
- ヨウ素
- セレン
- モリブデン
- コバルト
ミネラルが不足すると様々な体調不良の原因になります。
その中でもカルシウムが不足するとイライラの原因、骨粗しょう症の要因、骨密度の低下につながると言われています。
逆に、過剰摂取も問題です。ナトリウムの過剰な摂取は高血圧、脳卒中のリスクがあると言われています。ミネラルは海藻、乳製品、小魚などに多く含まれます。
食物繊維
胃腸や腸内環境を整える働きがあり、不溶性と水溶性とに別れます。不足すると便秘、糖尿病のリスクにつながると言われています。
食物繊維は通常の食事で、過剰な摂取になるとは考えにくいです。食物繊維は野菜、果物、豆類、海藻に多く含まれます。
水分
人の体内の60%は水分と言われています。栄養素や老廃物を体内、体外へ運び、体温調節などを行う働きがあります。
不足すると熱中症、脳梗塞、心筋梗塞などをはじめ、様々な病気につながると言われています。
ダイエット目的で水を多く飲む人も多いかもしれません。だけど過剰な摂取は水中毒などのリスクがあるため、注意が必要です。
「栄養バランス摂取に自信がある」は勘違い?

キリン・トロピカーナ株式会社が2016年に行った調査があります。東京都内に住む20~60歳代の男女555名に対し「食生活と栄養に関する意識調査」をするというもの。
結果は以下の通りです。
24%:自信がある
40%:あまりない
30%:ない
6%:わからない
「栄養バランスに自信がある」と答えた人は24%となり、全体の3/4は栄養が足りていないと自覚していることになります。
さらに「栄養バランスに自信がある」と答えた10人に対し、血液検査を実施。なんと10人中、9人が栄養不足という結果となりました。
ちょっとこれはヤバイですね…。
栄養バランスに自信がないと答えている人達がしっかり栄養を取れているとは考えにくいです。
なので、国民のほとんどが栄養不足かも?と考えても良いかもしれません。
一日に必要な栄養量について

上の図は一日に必要な栄養素と量の目安となるイラストです。何となく眺めてみると「へー」って感じですが、コレ結構大変です。
毎日これだけちゃんと摂取出来ていますか?
厚生労働省が一日に必要な栄養素を示す基準についての詳細は以下を参考にしてみてください。
また、人によって必要な栄養量は変わってきます。
性別、年齢、体重がそれぞれ違うので。
じゃあ自分に必要な量ってどれくらいなの?ってことですが、以下のサイトが参考になると思うので、そちらをご覧ください。
うつ病患者に不足気味な栄養素とは?

うつ病患者に不足気味と言われている栄養素が以下の4つです。
- ビタミン
- ミネラル
- アミノ酸
- 脂肪酸
ビタミン
うつ病に特に関連すると言われているビタミンが、ビタミンD、ビタミンB1、B2、B6、B12、葉酸の6種です。
ビタミンD
ビタミンDには、骨を丈夫にする働きがあります。不足するとカルシウム不足となり、骨が軟化につながると言われています。
ビタミンDは、イワシ、サケ等の魚類、しいたけ、きくらげ等のきのこ類に多く含まれています。
ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質からエネルギーを生み出す働きと、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きがあります。
不足すると疲労感、食欲不振につながります。また、脚気(かっけ)と呼ばれる病気になりやすいとも言われています。
ビタミンB1は、レバー、豆類、穀類のはい芽、豚肉に多く含まれています。
ビタミンB2
ビタミンB2は、糖質・脂質・たんぱく質からのエネルギー生み出す働きがあります。
不足すると疲労感、貧血、肌トラブル、子供の成長障害につながると言われています。
ビタミンB2は納豆、うなぎ、牛肉・豚肉・鶏肉のレバー等に多く含まれます。
ビタミンB6
補酵素の働きとアミノ酸の代謝を助ける働きがあります。不足すると貧血、肌トラブル、脳波の異常につながると言われています。
ビタミンB6はかつお、まぐろ等の魚類、レバー、肉、バナナに多く含まれています。
ビタミンB12
補酵素の働きと神経機能の維持の働きがあります。不足すると末梢神経障害や貧血の原因になります。
ビタミンB12はレバーやかきなどの魚介類に多く含まれています。
葉酸
DNAの合成に関わる働きがあります。不足すると悪性貧血、脳機能障害、動脈硬化、骨粗しょう症のリスクが高まると言われています。
葉酸は枝豆、ほうれん草等の緑黄色野菜、マンゴー、いちご等の果物、レバーに多く含まれます。
ミネラル
ミネラルの中でも、鉄分と亜鉛はうつ病に大きく関わると言われています。
鉄分
主に赤血球を作る働きがあります。不足すると鉄欠乏症の貧血につながると言われています。
鉄分はレバー、魚介類、大豆、緑黄色野菜、海藻などに多く含まれます。
亜鉛
酵素を作る成分となり、たんぱく質やDNAの合成に関わる働きがあります。不足すると味覚障害につながると言われています。
亜鉛はうなぎやかき等の魚介類に多く含まれています。
アミノ酸
たんぱく質を構成しているのが20種類のアミノ酸。なので、働きとしてはたんぱく質と同様です。たんぱく質が分解されてアミノ酸になります。
筋肉、血液、皮膚や髪の毛など、体を作る源なので、とても重要な栄養素と言えますね。
そのうち、トリプトファン、メチオニン、チロシンと呼ばれる必須アミノ酸はうつ病と大きく関係があると言われています。
また、トリプトファンはセロトニンを作る材料になります。
必須アミノ酸は、肉、魚、卵、大豆、牛乳などに含まれる良質なたんぱく質からとる必要があります。
脂肪酸
脂肪酸は脂質を構成する成分。脳などの中枢神経系に関わる働きをしています。
うつ病に関係があると言われているのがn-3系不飽和脂肪酸と言われるもの。
その中でも、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタンエン酸)の2つの必須脂肪酸が特に重要な役割を担っていると言われています。
不足すると肌トラブル、血栓形成、血小板減少 、(小児)成長障害、脳の発達障害などのリスクがあると言われています。
必須脂肪酸は魚に多く含まれると言われています。
サプリメントは必要?
うつ病患者に不足気味な栄養素の必要性について解説しました。ですが、この栄養素たちを食事だけでとるには正直むずかしいです。
そこで有効なのがサプリメント。毎日安定して、胃腸に大きな負担を与えることなく必要な栄養素を摂取するにはサプリメントがおすすめですね。
おすすめのサプリメントや、賢い選び方については別記事で紹介します。
結論:バランスが大切
「コレ体に良いから食べなさい」ってよく言われませんか?でも、その言葉って実はおかしかったりします。全部体に必要なんです。
栄養が偏ってしまうからダメなんですよね。1日3食バランス良く食べ、不足分はサプリメントで補いましょう。