
うつ病で休んでいるんだけど、お金が…生活が厳しい
障害で生活に支障があって生活費が苦しい。
そんな時、生活費をサポートしてくれる制度に「障害年金」と呼ばれるものがあります。
障害で生活に支障がある人が定期的にお金を受け取れる制度ですが、聞き慣れない人も多いかと思います。
- 障害年金って?
- 支給される金額はどれくらい?
- 障害の対象は?
- 申請の方法は?
そんな疑問に答えます。
こんにちは、かつまるです。
この記事を書いている僕は元うつ病患者。約3年間、うつ病に悩まされましたが、今では病気を克服して元気に暮らしています。
僕がうつ病を患っていた時、「障害年金」という存在すら知りませんでした。
なので、申請しようかどうしようか迷うことすら出来ませんでした。
当時はお金にも困っていたので、障害年金のことを知っていたら当たり前に申請していたと思います。
今回は障害年金について解説していきます。
障害年金とは?

障害年金とは、障害や持病などで生活が困難な方に向けて支給される年金のこと。
「年金」と聞くと、老後に支給されるお金だよね?と思うかもしれませんが、障害年金は若い人でも受けられる制度です。
およそ200万人の方が障害年金を受給しています。
障害年金の種類
障害年金は2種類あります。障害基礎年金と障害厚生年金と言われるものです。
障害基礎年金
障害基礎年金とは、障害や病気で、医師に初めて診療を受けた日に国民年金に加入していた方が受けられる障害年金のこと。
等級は、障害の程度により、1級と2級とに分かれます。1級の方が障害の程度が重いと考えられ、受給額も多いです。
障害者手帳に記載されている等級とは別物扱いなので注意が必要です。
障害厚生年金
障害厚生年金とは、障害や病気で、医師に初めて診療を受けた日に厚生年金に加入していた方が受けられる障害年金のこと。
等級は、障害の程度により、1級〜3級とに分かれます。こちらも、1級の方が障害の程度が重いと考えられ、受給額も多いです。
この時、障害の程度が軽いと判断された場合には、一時金である障害手当金の支給される場合もあります。
20歳未満はどうなる?
20歳未満ですと、そもそも年金に加入する前なので、この場合はどうなるか疑問に思うかもですが、この場合は障害基礎年金の給付対象になります。
障害年金:支給される額は月にどれくらい?
障害年金をそれぞれ分類すると、支給パターンは5つです。以下、5パターンのおおよその平均月額です。
障害年金の種類 | 平均支給額 |
---|---|
国民年金1級 | 約80,000円 |
国民年金2級 | 約65,000円 |
厚生年金1級 | 約150,000円 |
厚生年金2級 | 約115,000円 |
厚生年金3級 | 約55,000円 |
障害年金の対象になる人は?
障害年金の対象者は、「生活していく上で、支障があるか」です。
なので、「障害年金」と言うものの、必ずしも障害名が必要というわけではないです。
場合によっては、偏頭痛でも支給対象になることもあります。
とはいえ、この説明だけではよく分からないですよね。
障害年金の対象は以下の3つに分けられます。
- 外部(身体)障害
- 精神障害
- 内部障害
それぞれ見ていきましょう。
外部(身体)障害
眼、聴覚、肢体(手足など)の障害など
精神障害
統合失調症、うつ病、てんかん、認知障害、発達障害、知的障害など
内部障害
がん、糖尿病、呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液・造血器疾患など
注意:精神障害のうち、人格障害(パーソナリティ障害)と神経症は対象外とされています。
障害年金を受ける3つの条件
障害年金の受給に必要な支給条件があります。以下3点の要件を満たす必要があります。
- 初診日要件
- 保険料の納付要件
- 障害認定日要件
「生活に支障があるのは、いつから?どれくらいの期間?また、ちゃんと保険料は納付していましたか?」の証明をしてくださいということですね。
初診日要件
初診日とは医師に初めて診療を受けた日のことです。
「初診日なんて覚えてない…」って方がほとんどだと思いますが、通院先へ問い合わせを行えばOKです。
保険料の納付要件
以下、2つのどちらかの要件を満たす必要があります。
- 初診日の前日時点で、初診日の前々月までの年金加入月数の3分の2以上が保険料納付済みか免除されている月であるとき
- 初診日の前日時点で、初診日の前々月までの年金加入月数の12カ月すべて保険料納付済みか免除を受けた月であるとき
ちょっと難しく感じるかもですが、要は「保険料をちゃんとおさめていましたか?免除していたのであれば、その手続きをしていましたか?」を問われるということですね。
保険料の納付状況が分からない方は年金事務所に問い合わせてみると良いでしょう。
また、日本年金機構の「ねんきんネット」で確認することも出来ます。Webサービスなので自宅にいながら確認出来るのは楽ですね。
参考:日本年金機構
障害認定日要件
障害認定日とは、障害の程度の認定を行う基準日のことです。
以下の2つの基準によって障害認定日が決まります。
- 初診日から1年6ヶ月を経過した日
- 初診日から1年6ヶ月以内に症状が固定化した日
ここでは、「障害があり、日常生活に支障があることを証明できますか?」ということを問われていますね。
固定化した日とは:症状が固定して、これ以上治療の効果が期待できない状態になった日のこと。症状固定日とも言います。
障害年金の申請手続き場所はどこ?
障害年金の審査は、日本年金機構の障害年金センターで行われます。
障害年金の種類によって受付先の微妙な違いがあります。
- 障害基礎年金の申請:市区町村の窓口or年金事務所
- 障害厚生年金の申請:年金事務所
障害年金に必要な書類は?
障害年金に必要な書類関係は以下のようになります。
- 年金請求書
- 年金手帳
- 診断書
- 受信状況等証明書(初診日証明書)
- 病歴・就労状況等申立書
- 受取先金融機関の通帳
- 印鑑
補足:「年金請求書」「診断書」「受診状況等証明書」「受診状況証明書が添付できない申立書」「病歴・就労状況等申立書」は、年金事務所や年金相談センターの窓口で受け取ることができます。
- 戸籍謄本
- 世帯全員の住民票の写し
- 子の収入が確認できる書類
- 医師または歯科医の診断書
- 第三者行為事故状況届
- 交通事故証明または事故が確認できる書類
- 確認書
- 被害者に被扶養者がいる場合、扶養していたことがわかる書類
- 損害賠償金の算定書
- 損害保険会社等への照会に係る「同意書」
- 所得証明書
- 年金加入期間確認通知書
- 年金証書
- 身体障害者手帳・療育手帳
- 合算対象期間が確認できる書類
結構大変そう…と思うかもですが、手続き上、仕方のないことと割り切って申請するしかないですね。
よく分からない時は、まず窓口へ行き、「必要書類の確認」を行うと良いです。色々と教えてくれるはずです。
参考:日本年金機構「障害基礎年金を受けられるとき」
例:うつ病患者が障害年金を受け取るまでの流れ8ステップ

では、うつ病患者を例にして、障害年金を受け取るまでの流れを追ってみましょう。
まずは初診日の確認です。受診先の医療機関へ確認しましょう。
次に保険料の納付要件の確認です。分からなければ年金事務所へ確認しましょう。
次に障害認定日の確認です。症状固定日の有無によって計算が変わってきます。
分からなければ上の項に戻って確認しましょう。
医師に診断書を発行してもらいます。
その時、「障害年金申請のために必要」ということを伝えましょう。障害年金を申請する上で一番重要な書類となります。
その時、担当医に、「先生を頼りにしている」ことが伝わるとより良いです。
医師が親身に話を聞いてくれる状況が作れていれば、診断書作成の流れはスムーズかと思います。
診断書の次に重要な書類が「病歴・就労状況等申立書」です。
発病から初診、障害認定日、日常生活の状況、病歴、治療歴、過去の仕事から現在の仕事など。
時系列に沿って、具体的に、分かりやすく書くことが重要です。
うつ病によって「気分の落ち込みがある」のであれば、時間帯はいつも決まっているのか、そうで無いのか、期間はどれくらいか等、とにかく具体的に書くといった感じです。
その他の必要書類を準備し、やっと申請です。
障害基礎年金の場合は、平均的に2か月~3か月、障害厚生年金の場合は、3か月~6か月、難しい事案の場合にはそれ以上の時間がかかることがあります。
無事、申請が認めてもらえれば支給開始となります。
障害年金には永久認定と有期認定の2つがあります。永久認定の場合は更新の必要はありません。
今回のようにうつ病の場合は、有期認定となるので何年かに一度更新手続きを行う必要があります。
お知らせに従って手続きを行う必要があります。
障害年金:よくある質問

重要:申請が難しいと感じたら、色んな人に頼りましょう

障害年金の申請は難しく感じる方も多く、申請を諦めてしまう人もいるようです。でも、それってかなりもったいない。
申請窓口の方、相談支援員、医師、医療ソーシャルワーカー(MSW)、精神保健福祉士(PSW)など。
場合によっては社労士さんに頼るのも良いでしょう。頼れる人はたくさんいるはずなので。
障害年金の申請でキモとなってくるのは、医師の診断書です。なので、医師との意思疎通はとても重要です。
というわけで今回は以上です。障害年金の申請について、参考になれば幸いです。