- TMS療法とは?
- TMS療法はうつ病に効果ある?
- 保険適用できるの?
こういった疑問に答えます。
こんにちは、かつまるです。
この記事を書いている僕は元うつ病患者。約3年間うつ病に悩まされましたが、その後病気を克服。今は毎日元気に生活しています。
僕が闘病中、TMS療法というものがあること自体全然知りませんでした。
今は治療法も多くなってきていて、色々と選択肢があるのは嬉しいことですよね。今回はTMS療法について解説していきます。
【2019年6月】TMS療法が保険適用可能に

先日、第4のうつ病治療法として注目されているTMS療法の保険適用が認められるようになったというニュースを見ました。
正確にはTMS療法のうち、rTMS療法(反復経頭蓋(けいとうがい)磁気刺激)が2019年6月に保険診療可能になったというもの。
とはいえ、実際に保険適用可能かどうかは、各医療機関によって変わります。
保険適応が認められたとはいえ、その要件は厳しいようです。
保険適用できるかどうか、医療機関へ直接尋ねてみると確実ですね。
そもそもTMS療法って何?TMS療法の仕組み

TMSとは【transcranial magnetic stimulation:経頭蓋(けいとうがい)磁気刺激】のことで、磁気で大脳を刺激して、脳の活性化させる装置を言います。
整骨院や接骨院で腰痛治療のとき、電気ビリビリっとした治療を行うのがありますが、あれの頭バージョンと考えると分かりやすいかもしれませんね。
「装置を頭に当てる→コイルに電流を流す→脳の活性化を促す」という仕組みです。
具体例:TMS治療の治療費と通院頻度
以下、引用です。
具体的な手順としては、左側の額の部分に10ヘルツ(1秒間に10回)の周期で4秒間の磁気による刺激を与え、26秒の間隔を空けて75回繰り返す。1回の治療の所要時間は約40分で、合計3千回の刺激を前頭前野に与える。標準的な治療では、この40分間の刺激を週に5日、3~6週間続けるという。1回の技術料は1万2千円で、3割負担なら3600円で受けられる。
引用:うつ病治療に光明、「コイル電流」療法が保険適用に 副作用が少ないメリットも(デイリー新潮)
上記は1つの例ですが、実際に治療を受けたいと考えている人からすれば、リアルに参考になりますね。
TMS療法のメリット
- 服薬による副作用がほとんどないこと
- 他病気との兼ね合いなどの理由で、飲み合わせや投薬自体に制限がある方でも大丈夫なこと
外部刺激からの治療なので、副作用の心配が少ないというのが一番のメリットでしょうか。
TMS療法のデメリット
- 頭皮にピリッとした痛みを感じる場合があること(ここに関しては装置の違いや、個人の感じ方で差が出ると思います)
- 通院頻度が多くなる可能性があること
先ほど挙げたTMS治療の具体例で考えてみると、40分の治療を週に5日。
それを3~6週間続けるということで、通院頻度がかなり多くなるのは気になるところですね。
TMS療法の効果と経緯
薬物療法(抗うつ剤)
↓
精神療法(認知行動療法)
↓
電気痙攣(けいれん)療法
↓
TMS療法(経頭蓋磁気刺激治療)
という経緯になります。
薬物療法と同等の効果が見込めるということで、TMS療法はアメリカで2008年に認可されたのが最初です。
TMS療法で見込める効果は以下の通り。
- 神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン)の分泌
- 前頭葉機能を中心とした認知機能の改善
TMS療法の普及
実際、TMS療法の普及はどうなのか気になるところですが、現状、日本での普及率は低いようです。
従来のうつ病療法の問題点
うつ病を治療していく上での問題点は、治療を行っても改善が見られないという謎があることです。
実際に今までの治療法では、どれを試してもうつ症状の改善が見られないという人が2〜3割もいると言われています。
道で転んで膝を擦り傷のケガをしたなら、原因や症状もはっきりしているので分かりやすいですよね。
ですが、その点うつ病はまだまだ解明出来ていないことが多いというのが現状。
専門医でも分からないこともたくさんあるようです。そういった意味でも、うつ病の新たな治療法としてTMS療法は注目されています。
TMS療法:よくある質問
- ペースメーカーをつけているんだけどTMS療法は大丈夫?
-
体内埋め込み医療機器がある場合、痙攣(けいれん)などを引き起こす可能性があるので、注意が必要と言われています。詳しくは医療機関へ尋ねると良いでしょう。
- TMS療法は双極性障害にも有効なの?
-
双極性障害の症状として、うつ病に似た落ち込みなどが見られますが、実際のところ有効かどうかは不明のようです。これから実験データが多く報告されてくると、もっとはっきりしてくるのではないかと思います。
- TMS療法が向いている人はどんな人?
-
薬物療法を試してみたが効果がない。薬の副作用が気になって、どうしても抵抗がある。そんな方には特に有効かなと思います。
TMS療法まとめ
- TMS療法とは磁気刺激療法のこと
- 一部保険適応可能になったが、要件が厳しい。保険適用している医療機関は現状少ない
- メリットは副作用が少ないこと
- デメリットは通院頻度が多くなる可能性があること
- 薬物療法と同等の効果が見込める
- 日本での普及率はまだまだ低い
TMS療法の治療をスタートしてから考えること

TMS療法が順調に進んで効果が見られたとしても、次に考えるべきは「うつ病の根本原因を取り除く」ということです。
せっかく治療がうまくいっても、うつ病が再燃・再発しては意味がないですよね。
根本原因を取り除くには、自身の考え方と生活習慣の見直しがとても大切です。
それぞれ以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
というわけで今回は以上です。うつ病の治療について参考になれば幸いです。