- 就労継続支援って何?
- 実際に応募からサービス利用までの流れはどんな感じなの?
- 色々と勉強しているけど就労継続支援について、今ひとつ理解できない
こういった疑問に答えます。
こんにちは、かつまるです。
この記事を書いている僕は元うつ病患者。約3年間うつ病に悩まされましたが、その後克服。
この経験を生かしたいという思いから、現在は主に精神障害者をサポートするお仕事に携わっています。
今回は就労継続支援について利用者目線で解説していきます。
就労継続支援とは
どんなサービス?
障害者が働きながら、給与を受けながら支援を受けられる障害福祉サービスのこと。
就労継続支援には、就労継続支援A型、就労継続支援B型と分けられます。
支援?障害福祉?んー、ちょっと分かりにくいですよね。
障害者が集う職場。その職場にいる人達は障害者への理解がある。
そう考えると少しイメージしやすいのかなと思います。
仕事内容は?

仕事内容は各事業所によって様々です。
社会には色々な業種があるように、就労継続支援も同じで、そこは一般企業と変わらないです。
ものづくり、パソコン、農業、接客、販売、清掃など、多種多様です。
働く時間は?
就労継続支援A型:1日4時間〜8時間の勤務が一般的。
就労継続支援B型:1日2時間〜4時間の勤務が一般的。場所によっては1時間だけというのも珍しくありません。
各事業所によってそれぞれ勤務時間が違いがあります。なので、気になる事業所があれば事前に確認しておくのが良いですね。
利用期間は?
A型:基本的に利用期間の制限はありません。
ただし、契約更新の有無によっては利用期間の制限が設けられる場合があります。
B型:利用期間の制限はありません。
A型とB型の大きな違いは?

雇用契約を結ぶか結ばないか、給与、対象年齢などに違いがあります。A型は雇用型、B型は非雇用型と呼ばれたりもします。
以下の表を参考にしてみてください。
項目 | 就労継続支援A型 | 就労継続支援B型 |
---|---|---|
雇用契約 | 結ぶ | 結ばない |
対象者 | 18歳〜65歳 | 年齢制限なし |
全国平均時給(2018年) | 846円 | 214円 |
全国平均月収(2018年) | 76,887円 | 16,118円 |
実際、特に気になるのは収入面かと思います。なんでこんなに違うの?と気になりますよね。
A型:一般就労は困難だが、雇用契約に基づく就労は可能な人
B型:一般就労は困難、かつ、雇用契約に基づく就労も困難な人
こういった理由があるからです。
A型:正社員はつらい。だけどバイトならいけるかも
B型:正社員もバイトもむずかしい
こう考えると少し分かりやすいでしょうか。なのでA型はB型と比べて、求められる能力・スキルがより高くなります。
どれくらいの人が利用してるの?
就労継続支援A型は約6.9万人、就労継続支援B型は約24万人の方が利用されています(2018年3月時点)。
実際、全国で多くの人が利用しているということが分かりますね。
対象者は?
対象者についてもう少し深堀りしていきます。
年齢制限については先ほど触れた通りです。
A型:18歳〜65歳
B型:年齢制限なし
ではどんな人が利用するのか?ということですが、簡単に言うと「一般企業への就職に不安がある人」が対象です。
なので、必ずしも障害者でなければいけないというわけではありません。つまり、障害者手帳が必要というわけでは無いです。
とはいえ、誰でも利用可能というわけではなく、一部条件のいずれかを満たしている必要があります。「一部条件」とは以下の通り。
- 医師が利用の必要性について認めている
- 就労経験はあるが現在は就労していない
- 就労移行支援事業所を利用したが一般就労できなかった
- 特別支援学校を卒業し、就職活動を行ったが就職できなかった
ここについてはそこまで難しく考える必要はないと思います。
サービス利用料って何?
サービス利用料とは、障害福祉サービスを利用する上で発生する自己負担利用料のことです。
実際には、利用料が発生する可能性があり、利用料がある人と無料の人に別れます。区分けは以下の通り。
対象 | 自己負担利用料 |
---|---|
生活保護受給世帯や市町村民税が非課税の世帯 | 無料 |
市町村民税の所得割が16万円以下 | 9,300円 |
市町村民税の所得割が16万円以上、又は20歳以上の入所施設利用者、グループホーム、ケアホームを利用している | 37,200円 |
前年度の収入によって自己負担料がそれぞれ変わってきます。
職員の人員配置は?
就労継続支援の職員には、次の3パターンの役柄があります。
役柄 | 業務内容 |
---|---|
生活支援員 | 利用者の健康管理や相談支援を行い、生活能力の自立を促す |
職業指導員 | 作業の指導を主に行い、利用者の職業的自立を促す |
サービス管理責任者 | 障害福祉サービス全体の責任者。生活支援、生産活動の指導に加え、利用者の個別支援計画や評価などを行う |
生活支援員は主に生活面の担当し、職業指導員は作業面の担当します。
基本的には、普段の日常生活での困り事は生活支援員に相談し、仕事(作業)の技術的なことは職業指導員に相談すると考えれば良いです。
また、その両方を担い、サービス全体を取りまとめるのがサービス管理責任者といった感じですね。
設備は?
就労継続支援には一定の設備基準が定められています。
作業室 | 訓練・作業に支障がない広さがあり、必要な機械・器具などを備えていること |
相談室 | 仕切りなどを設けること |
洗面所、トイレ | 利用者の特性に応じたものであること |
これらの条件を満たしている必要があります。
就労継続支援【利用の流れを5ステップで解説します】

では実際に就労継続支援を利用するまでの流れを見ていきます。
一般企業に応募するのと大きな変わりはありません。
まずはハローワークへ。その際、障害者窓口へ尋ねると手続きがスムーズかと思います。
これはどちらでも構わないのですが、事業所の雰囲気なども分かるので見学するのがおすすめです。
ハローワーク担当者へ見学希望の気持ちがあることを伝えます。
見学が終わり、実際に応募したいとなれば再びハローワークへ。応募手続きへ進みます。
求人票の記載に従い、必要書類を準備します。
履歴書、場合によっては職務経歴書も必要になります。日程に従い面接を受けます。
次にアセスメントへと進みます。就労継続支援で言うアセスメントとは簡単に言えば「体験利用」と考えてOKです。
アセスメント期間は事業所によって様々。3日間で終わる所もあれば、1ヶ月ほどで終わる所もあります。
アセスメント期間について具体的な日程が分からなければ予め聞いておくと良いですね。
アセスメント期間中は基本的に無給です。ここが辛いとこですね。アセスメントが終了すると合否通知を受けます。
採用通知を受ければ次のステップです。役所へ行き、障害福祉窓口へ。福祉サービスを利用する旨を伝えます。
手続きを進めていくと「相談支援専門員」という担当者がつきます。
相談支援専門員とは、利用者と支援サービスをつなぐサポート的な役割を担う人のことです。
相談支援専門員は、福祉サービス事業所の人ではないというところがポイントです。
なので中立的な立場での支援・サポートを行ってくれる人と考えると分かりやすいでしょうか。
福祉サービス受給者証を受け取り、ここでようやく利用スタートです。
実際には受給者証の受け取りは手続きの関係上、前後することがありますが。
利用の流れは以上です。
手続きが難しそうと感じる方もいるかもしれませんが、就労継続支援事業所が手続きのサポートも行ってくれるので、特に大きな心配はいらないかと思います。
障害福祉サービスと一般企業との違い

障害福祉サービスと一般企業との大きな違いは仕事面だけでなく、生活面のサポートも受けられることです。
例えば、うつ病患者で考えてみます。
毎日の起床・就寝時間、食生活、趣味、苦手なこと、得意なこと、気分の落ち込みはあるか、それは時間帯に決まりはあるか、勤務中に症状は出るか、服用薬は何か、通院頻度はどれくらいか等、全て伝えます。
全て把握してもらった上で日々の記録も付けて管理してもらい、適切なアドバイスをもらえるといった感じです。
また、定期的にモニタリングと呼ばれる面談も行なったりします。単なる働き口としてではなく、自立を促してもらえるサービスです。
就労継続支援:よくある質問

ということで今回はそろそろ終わりにしようと思います。
「就労継続支援ってどんなところ?」という疑問から、「実際に利用してみたいかも」と思った場合、いくつか見学に行くのが良いと思います。
自分が働くイメージが湧くと思いますので。実際に応募するかどうか悩むのは見学の後がおすすめです。
これからの働き方を迷っている方にとって、この記事が参考になれば幸いです。